納税額の一部を故郷などに納める「ふるさと納税」構想について、総務省は住民税の最大一割を移す案を軸に調整に入る。都市と地方の税収格差の是正が狙い。7月の参院選をにらんだ構想との見方もある。実現には、従来の税理論との整合性や手続き面で詰めるべき課題は多い。
地方税の住民一人あたりの税収格差は最も多い東京都と最も少ない沖縄県で3.2倍(2005年度)。政府は4月から格差是正へ地方消費税や法人2税の見直しを始めている。菅義偉総務相は1日、外遊先のパリで「税の一部を自分の故郷や好きな町などに納税し、恩返しをしたいという要望は強い」と述べ、住民税の一部を出身地などに納税できる制度の検討を表明した。
総務省は6月に税制の専門家や地方自治体の首長らで構成する研究会を立ち上げる。個人所得にかかる住民税は1月1日現在の居住地の自治体に納税する仕組み。総務省は納税者が住民税の一割を出身地の自治体などに移すことを選べる案を軸に検討する。今秋をめどに改正案をまとめ、来年度税制改正に反映させたい考えだ。
07年度の税収見込み額(都道府県4兆9千億円、市町村7兆4千億円)で計算すると、最大で1兆2千億円が移動する。おもに都市部から地方へ税が移るとみられる。
地方自治体からも都市部の税収を移譲するために「ふるさと納税」を求める声が出ている。福井県と県内市町村は05年度11月に三位一体改革に関する提言を共同で出し、ふるさと納税の導入を求めた。国税を所管する財務省は地方税収の配分に関する議論のため、今のところ静観している。ただ税収減の恐れのある東京都などの反発は必至で、来年度の税制改正で実現するかは不透明だ。
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